特徴としては、まわりの人を疑ったり、妬んだりしやすく、ちょっとした状況の変化に敏感なことがあげられます。また、議論好き、訴訟好きな傾向もあるようです。ほんの些細な言動を取り上げて「裏切られた」という反応を起こしたりもします。
自己愛性人格障害の症状を持っていると、相手の弱点や欠点を指摘ばかりするのにもかかわらず、自分のことを言われると激怒するようなことがあったり、自分の(潜在)能力について現実離れした妄想を持っていることも考えられます。
また、人を信頼することができないので、親密な友人はほとんどいないことが多いようです。そのため、距離をとった対人関係を持つことが多いのですが、中には親密な対人関係を築いてまわりをコントロールしようとするタイプの人もいるようです。
妄想性人格障害の特徴をもう少し詳しく述べると以下のようになります。
- 周囲の人に対して、自分を出し抜こうとする、だまそうとする、陥れようとするなどと常に警戒して疑っています。他人の親切に疑いを持ち、親しくうち解けにくく、拘束を恐れ集団に属するのを嫌がります。
他人からは、気むずかしく、秘密主義で、尊大な人間だと思われたり、ユーモアや楽しむと言った能力に欠けているように思われがちです。 - 病的嫉妬:異常なほどの猜疑心から、ちょっとしたことで相手が自分を利用していると感じます。さらに、病的な嫉妬深さで恋人が浮気していると信じ、その証拠を探し続けようとします。
- 好争者:頑固で非友好的で、すぐ口げんかをしやすいという性質があります。人の弱みや欠点を指摘するのは得意です。しかし、自分のことを言われると激烈に腹を立てます。
自分の権利や存在価値を過剰に意識し、権威に対しては異常な恨みを抱きます。新しいものに対しても非常に警戒をし、なかなか受け入れられません。 - 敏感者:強い自負心があります。内心では自分には非凡な才能があり、偉大な業績を残せると固く信じています。
この自負心によって、自分が才能を発揮できていないのは他人が邪魔をしているためだと妄想的な確信を抱いています。そして、この自負心には、敏感性もあり、ちょっとしたことで 「裏切られた」だの「だまされた」だの叫びます。
簡単にまとめますと下のようになります。
以下が、妄想性人格障害の診断基準になります。次の7つのうち4つ以上あれば妄想性人格障害が疑われます。
- 十分な根拠がないのに、他人が自分を利用したり、危害を加えたり、だましているなどと疑いを持つ。
- 友達の誠実さ、親切を不当に疑い、そのことに心を奪われてしまう。
- 何か情報を漏らすと自分に不利に利用されると恐れ、他人に秘密を打ち上げることができない。
- 悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなしたり、脅かすようなことがあると深読みする。
- 侮辱されたり、傷つけられたり、軽蔑されたことを恨み続ける。
- 自分の性格や評判に対し過敏に反応し、勝手に人から不当に攻撃されていると感じたり、怒ったり、逆襲したりする。
- 根拠がないのに恋人や配偶者が「浮気しているのではないか」と詮索する。