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眼球上転発作

眼球上転発作(Oculogyric crisis (OGC))とはある種の薬剤や病状に関連して発生する眼球の上に偏った異常な動きです。 "Oculogyric"というのは眼球が上を向くということですが、さまざまな他の症状が合併することがあります。

最初の症状には強い体位の不安定さ、叫ぶこと、体の苦しさ、そして体が動かなくなることなどがあります。その次に典型的な症状である眼球が上転して持続的に動かなくなる状態が起きます。

さらに、目はけいれんし、上向きに変位してさらに横に向いたり下を向いたりします。同時にみられる現象で最も報告の多いのは後方や側方への首の曲げです。大きく口を開き、舌を突き出して、目の痛みも訴えます。

大変強い痛みを伴う顎のけいれんも見られ、それは歯が折れるほど。その直後には大変疲労し、精神的な症状が突然に終了するのも特徴的です。

この発作の時に見られるその他症状にはの不動症、同語反復、瞬き、流涙、瞳孔の散大、瞼の下垂、呼吸の不穏、血圧と心拍の増加、顔面の紅潮、頭痛、めまい、不安、発声、促迫した思考、パラノイア、うつ症状、反復して思考が一定の点にとどまること、気分の抑鬱化、暴行を働くこと、言葉を失うことなどがあります。

最初の発症の後にストレスや薬剤への暴露がきっかけになって、眼球上転発作が反復性の状態になることには気が付かれないことも多くあります。

治療について
薬剤性のものでは抗ムスカリン作用を持つベンザトロピンやプロサイクリジンの点滴が急性の発作には用いられます。これらは普通5分以内に効きますが、効果が最大になるには30分かかることもあります。追加は必要なら20分後に行います。原因になりうる薬剤は中止し、25 mgのジフェンヒドラミドが用いられます。

眼球上転発作 私の場合
一番初めに出たのは中学一年生頃の事、メンタルクリニックにかかりだした時(リスパダールと言う薬を飲み始めた頃ですので、それが原因かと思います)でした。突然眼球が右上へ、右上へと動き出して、自分の意思で止める事が出来なくなったのです。

いきなりの事で、対処法も何も知らなかった為、ただ布団に入って目をきつく閉じ、治まってくれるのを待つしかありませんでした。目を閉じていても、自分の眼球が上へ上へ行こうとしているのが良く分かりました。同時に、首も目に合わせるようにどんどん右上後方へと向いていきました。

一気にぐるん、と行くのではなく、ぐん・ぐん・ぐんと徐々に上がっていく感じで、一生懸命視線を戻そうと思っても勝手に眼球が動いてしまいます。そして、これ以上行けない、と言う所まで来ても治まる事はなく、その時の記憶はどんどん視界に入ってくる景色(枕や壁紙の柄)や、目のきつい痛みくらいしかありません。

寝ようとしている時、お風呂に入っている時、外に居る時、所構わず上転発作が出て、外で症状が現れた場合で知り合いと居る時は、手を引いてもらっても道が見えず歩くのがとても怖かった事を覚えています。首も共に上転しているので、傍目には首を思いっきり上へ向けている状態です。空と電線くらいしか見えません。

今のクリニックへ通うようになり、その事を伝え、やっとこれが薬の副作用であると言う事が分かりました。副作用止め(私の場合アキネトンでした)を貰い、飲むようになってからは大分落ち着き、酷い症状が出る事は殆どなくなりました。

「症状が来る」と言う兆候は、「視界がゲシュタルト崩壊を起こしだす」と言う所くらいです。何となく、目に入る物に、あれ?と感じ始めたらもう症状が出始めている事が多いので、急いでアキネトンを飲みます。ただこの兆候も、私の場合、ですので、全ての人に当てはまる訳ではありません。

発作はとても苦痛なものです。少しでもこのような異常を感じた方は、お医者さまに伝えてみてください。
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