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解離性同一性障害−主な症状

解離症状では健忘があげられます(98%)。
健忘と言っても実際上はその程度も(交代人格や本人同士の)意識の共有の程度も、交代人格同士の認知の程度も様々です。A人格はB人格を知っているが、B人格はA人格を知らない、または、存在を知っているがどう言う状態にあるのか分からないなどの色々なパターンがあります。

その他の解離症状としては、遁走(55%)、離人感(53%)、夢遊(20%)となっています。感情症状としては、抑うつ、気分変動、自殺企図が多いようです。
これらの症状は多重人格に限らず、児童虐待の犠牲者にはよく見られる症状です。多くの場合、低い自己評価、自己嫌悪、自己処罰の傾向を示すようになります。虐待のフラッシュバックとして、抑うつや不安、恐怖症状が見られるようになります。

昔は精神分裂病の範疇に入っていた為、よく精神分裂病と間違えられます。精神分裂病と同じような症状として、幻視、錯視があります。悪夢のようなぞっとする光景、知っている人が別人に見える、鏡の中の自分の姿が変に見えるなどです。

身体症状で一番多いのは頭痛です。
これは、交代人格の間での身体支配権争いの時に見られたり、人格が入れ替わる時などに良く見られます。

多くの場合解離性同一障害と診断されるまでに平均6.8年程かかっています。それまでに気分障害(躁うつ病)、境界性人格障害、不安障害、精神分裂病として治療されている事が多いです。
誤診されているケースが多く、違った診断名で治療を受けていますが、改善していません。


基本的な説明
・診断基準の定義
・交代人格とは
・原因・虐待との関連
・主な症状
経過説明と治療方法
・経過と治療
・経過と治療 第一〜第三段階
・経過と治療 第四〜第六段階
・経過と治療 第七〜第九段階
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