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045

何でも言う事を聴く子が欲しいのならば
私から離れていきなさい。
私はあなたの人形にはなり切れないので。

頷くだけを肯定とするのならば
私はとても良く出来た子だったでしょう。
傷跡を笑っても消えない。

何も変わらない現状を
あなたの所為にしたりはしないけれど
私は自分の所為にもしたくない。

決して精一杯努力していますとは言えない。
それでも何もしていない訳ではない。
でも物語を創るまでには至らない理由がある。

不器用な優しさを見落とした私に
あなたは呆れて
その内違う子を見るようになるのでしょうね。

もう自分の心を伝える事に疲れたのです。
通じないのに言っても意味はない事に、
やっと気付けたのです。

あなたから離れていく私を褒めてください。
自立を望んでいたのでしょう?
私はあなたが居なくともやっていけるのです。

そう思って私を諦めてください。
そう思って死んでゆく私を見送ってください。

044

難解なパズルを解いている時のように苛々する
解からない事への欲望
突き放されているような痛み

ああ、所詮僕は、
ただ一人の子供でしかなかったのだと
気付かされた

僕を支えるものが僕自身ではないのだとしたら
一体誰が、僕を見付けてくれるのだろう

このやり場のない焦りを
微笑んで見守ってくれる人を
僕はどうやって捜せばいいのだろう

置いて行ってしまえばいい
遠くから見つめればいい

僕が吐き出すこの言葉を
ただ見てくれればいい
そうすれば少しは救われる気がする

あなたは私のようで、僕でもある。

何かの形にする事で
この苛々がおさまってくれるのならば
何時までだって繰り返そう

遊び、などと白い目で見られても
私はそれを続けよう

私である、僕のために

043

暗闇、僕を包み
光、僕を守る
 全てとかして飲み込んで
 全て晒して理解求む

かゆい場所に傷が付くのが恐くて
ずっと我慢ばかりしてきた

血が出るなんて良い
痛いなんてもの良い
ただ、傷が付くのが恐かった。

曖昧な手招きに誘われて
命に重さなんてなくて
生きて死ぬ落とし穴にはまる

隣で寝息を立ててる君は
こんな僕を知らない。

気付かせない

042

見下ろした先にあった誰かの軌跡
屑まみれになりながらも ひっそりと

何も生み出さなかった 私の軌跡は
それでも 誰かに見てもらえるでしょうか。

廃墟の哀しい佇まい
誰が 還って来るのを待っているの。

屑にまみれながら この傷も
ひっそり ひっそりと 隠されて。

私も一緒に 此処に 居るよ

041

声が聞けなくなった。
それは成長していく中で、絶対的な物らしい。

鳥がまきこまれたよ。
腐った眼で僕をにらむ。
感じても意味の無い罪悪感
その中で溺れそうになる。

差し出された手を掴んだら、
その手も腐っていた。
これが夢なら早く覚めて欲しい。

猫が轢かれたよ。
それは夢ではなく現実で。

040

空を見上げたら 雲がゆっくりと流れていて
その青の中の白さに 泣きたくなった

またね、と言って笑った 君の横顔
それに未来を見ていた幼い僕

この景色が真っ赤に染まったら、
失った過去も 戻ってくるのかなあ。

涙が止まらない

039

海から色を奪ったのは誰ですか
ただただ青く映り続けるだけの鏡

空から色を奪ったのは誰ですか
下に在るモノを現し続けるだけの道化

人から色を奪ったのは誰ですか
他人の真似事をするしか出来なくなったモノ

海は人の真似事ばかりしていて
自分を見失ってしまった
何かを映し出す事に慣れすぎて
自分を映し出す事が出来なくなってしまった

そこに在り続けるのが当然の様に居着いて
本当の居場所を探すのを止めてしまった

悲しい存在

038

あなたに 私は 必要ですか
私は あなたが 必要です

振り向いてくれなくても
都合の良い時だけ呼び出されても
私を 必要としてくれるのなら

「良い人」のままで良いのです

だけれど、
今の変わらない状態を無茶苦茶にしてやりたい

とも 思うのです

あなたが 私を 必要としないのなら
私は そこから去りましょう

「さようなら」と 言ってしまえれば
どんなに楽か

矛盾する 心は どこへ向かいますか
矛盾する 私は どこへ向かいますか

不要と 捨てられても
私には あなたが必要でした

037

ステイタスくれ
ステイタス
なにがステイタス

俺を認めてくれ
評価をくれ
それがステイタス

分かってくれ
危機的状況
このステイタス

ステイタスくれ
ステイタス
どれがステイタス

なにがステイタス
どれがステイタス

これがステイタス

036

心は真っ暗な穴に吸い込まれていく
守ってくれる人を見ていたい

のたうちまわって苦痛に耐え、
少しの幸せは見逃していた。

埋めていく 心の傷
存在証明は自分では見られない。

何もかもを受け入れて
疲れ果てた頃、
また会いにやってくるよ。

035

雪の降り積もる空間に
墓がひとつと カケラたち
全てを忘れるように 存在していた

軽い絶望を覚えた時の心地よさ
奥の部屋から何者かが手を伸ばす時
それは全てとなる

支配と言う名の救い

甘い理想はドロドロと
醜くそのかたちを変えていくから
叫んだ言葉を”希望”と呼びましょう

カケラは自我を取り戻し
墓へと 救いの手を伸ばしだす

034

アイシテイルヨ
君が満足するまで 僕は嘘を吐く

舌を絡め、手を繋ぎ、僕は嘘を繰り返す。
傷だらけの腕に 傷が増えて欲しくないんだ。

僕を信じている?
もっと鳴いて
抉じ開けられる痛みを感じておくれ。

アイシテイル
その言葉だけを聞いていれば良いから。
もっと、モット、
壊れるまで欲してくれよ。

どこまでも傍に居る、僕も壊して行ってくれよ。

033

忘れようと誓ったのに忘れられなかった
消しても消しても記憶は甦って
私の脳に焼き付いて離れなかった

あなたのために何かしたいという気持ちはあるけれど
私に出来ることは殆どなさそう

暫く考えたあと
ようやく見つけ出せた答えは
あなたを忘れずにいること

032

繋がっている筈なのに 繋がらない。
一方通行。
一人じゃないのに独り。
何人居ても同じ、独り。

寂しいとか 不安とか 泣きそうとか 死にたいとか
(生きたい、とか)

自分の思考なのに処理が追いつかなくて。

今まで作り上げてきたのは何だったのって
恐い顔して、君が言うから。

水の中漂いたい 腕の中漂いたい。
窒息してしまっても構わない。

誰か、応えて 名前を呼んで 抱きしめて。
折れてしまう程に、強く、強く。

031

声をあげても ただひとり
しずんでいく 自分の中
誰も居なく 泣き続け
かすかに見える 助けすら
信じられず ふりはらう
全てのものが どうでも良く
それでもひとつ 求めてる
けいこくなど おかまいなし
耳をふさぎ やりすごす
自分でつぶやく ことばすら
意味もつかめず 首かしげ
呼ぶなまえだけ 記憶をたどる
目的すら みうしない
あてもなく 笑いかける
そんざい自体 あやうくて
うずくまって 閉じこもる

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