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015

かたいパネルを動かすと
表情が変わる人形よりも、
無駄な努力をし続けて 
ゴミみたいに捨てられた人よりも、
無機質で、無意味なもの。

あなたの為に、涙を歌いましょう。
私の声が、空へも届くように

雨と空気とを振動させながら
生きているよと笑いかけるように

あなたの教えは正しかったと
声を張り上げて、伝えましょう。

伝えましょう。

014

強い鼓動 弱い意思
自分が何故生まれたか、なんて
くだらない事はどうでもいい

全部 消えてなくなる事を望みながら、
自分ひとりになる事を恐れていた。

信じて掴んだ手も いつの間にか振り払って     
自分の愚かさに立ち尽くして・・・

どうしたら救われる? 涙は止まる?
何時まで 待てばいい?

013

夢を視ました。
まるで恋のような、一方通行の夢です。

見える位置に居るのに、
手を伸ばせば届くのに、
何も 出来ませんでした。

あなたの笑顔に、
近付けない私が居ます。
あなたを信じることが出来ずに、
うつむいたままの私が居ます。

これも 夢だったら良かったのに。

012

空を仰いで大気を揺らした。
君に”もう泣かない”と言った僕だったけれ ど、
今も原因不明の涙を流している。

君の居ない現実よりも、
君に逢える悪夢に浸っていたい。

やっぱり僕は駄目だったよ。
独りではとても生きていけなくて、
誰かの手を掴んだんだ。

この手がこれから先、誰かに触れ続ける事を、
許してくれるだろうか。

君を忘れて、生きていく事を。

011

君は僕の事を見ない。
何時もすぐ近くに居るのに、存在に気付いてくれない。

笑っている君、泣いている君
僕はここに居るよ。
君は独りじゃないよ。

心の暗闇の中で、一生懸命光っている。
涙で視界がにじんでも、
この光は見えるはずだ。

さあ、手を伸ばして、思い切り伸ばして、
僕の手を取ってくれ。

ほら、もう少しだよ。

010

震えた手で 孤独 を 掴んだ
ピシリと音を立てて 何かが砕けた

愛と依存を履き違えていた日
無性に愛を欲していた日
全てを 文字 に変えて
嬉しさも苦しみも 刻み込んだ

何度目かの ”さよなら”
これを 成長 と呼べるのなら
私は空を見上げよう

009

何もかもが 些細な事に混乱させられ
いつまでも続くような風景を消していきました。

どれだけ平和なフリをして微笑んだとしても
その 陰る視線が全てを暴き
あなたともあなたとも長くは居られないのだと、

少しずつ気付いて心を閉ざします。

隠した過去が産声を上げても
私は繰り返し砂をかぶせてゆくでしょう

それを「永遠」と呼ぶ、愚かさに気付きなさい。

008

夜が 鳴る
僕の居る 現実  君の居る 夢

優しく 瞳 を 閉じて
何も 見えないように
そっと 耳 を 塞いで
何も 聞こえないように

ノイズだらけの世界で どう 生きるの?
君の居ない世界で どう 動く の?

教えて
口付けるように 浅く 深く
君の世界に 飛べる 魔法を。

007

胸が痛いから 抉る方法を探して探して、

いつの間にか、海の傍まで来ていました。
抉るものが 必要だ と訴えています。

寝て起きたあとの空虚感に癒される毎日
苦痛でしか 生きている実感を得られない。

海まで歩いて 足を水に 浸し、
どうしようもない、胸の疼きを流そうと
少しの時間 立ち尽くしていました。

水は痛みを 消してはくれないのだ、
そう疼きに訴えられ私はやっと、気付いたのです。

どれほどもない。

006

全てを 理想化 しすぎて
うつろになった私を
何が 拾ってくれるでしょう。

周りを 陥れるまで 自分を追い込んで
得られた もの は ありましたか

限られた時間の中 あなたと二人で
笑って居たかったと
今更になって 思います。

けれども もう 良いのです。
自分を見捨てた 私 を見失い 途方に暮れましたが
また 新たに 始めようと思うのです。

醜い私まで 愛せる私を 探しに。

005

何を逃がしましたか
まだ 猫は 起きていますか

空虚感を餌にして
一体 何時まで 生き延びるのやら

何か 得られましたか
あと命は どれくらいですか

安定感を餌にして
一体 何時まで 生き延びるのやら

004

ボク達生きてるんだ
ねぇ、汚れた水で
心を満たして

叫ぼう
声を張り上げて
キミに届くまで

ベルが鳴るよ
最期の刻を知らせる音
水は染み渡ったかな?

眠ってていいよ

003

憎むことに力をそそいでしまうから
後に残されるのはどうしようもない 虚無感
最近少し、 幸せになった

それでも「生きている証」を掴みたがるように
なにか 対象をさがしている。

一度 自分から手放してしまったもの を、
もう一度と欲している、醜い自分が 一番憎むべきで
それなのに憎みきれない 妙な 苛立ち。

002

堕落していく天使を追って 白い湖に飛び込 んだ僕に
一瞬一瞬の奇跡が雪となって降りかかる

唄を、歌うように。 視線を、泳がせるように。
上を見上げれば、呆気に取られてしまう程の 青い空

僕が捨てた安全と
僕が求めた自由とを 青い薬に変えて 放って くださ い。

憧れてやまない、堕落していく天使
その瞳に雪は映らなくとも
追い求める   不確かな楽園

001

水に流した悲しみを 光と同時に思い出し
帰らぬ過去に、むせび泣きました

繰り返しの言葉にいくら力がなかったとしても
あの時 例えば信じられていたら、長続きしただろうか 。
背中合わせの電話越し 声に押し隠された不満や戸惑い の数を
地平線の端に置き忘れることもなかっただろうか

引き出しには後悔が積もりに積もって
出しても、出しても  奥からあふれ出てきて 海に浸 る

泣くために、あなたを諦めたわけじゃない。

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