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071
夕凪にふたりを閉じる
みんなが言うのさ 理解出来ないと
凍えても僕は知らない
人のあたたかさ 優しい心など
求めては離れていった
誰が悪いか 本当は知ってたよ
何時かまた 記憶を開けて
僕を殺して
ふたりになれたら
そばに居られたら
変われるのかな
何も言わないで
黒い空 赤い涙 飛行機雲に
何を願うだろう
070
大した人格も持ち合わせていない
それでも悟ったフリが大好きで
人を傷付ける事がやめられなくて
そんな事をしていても
自分を苦しめていくだけなのに
何に価値を見い出していたのか
何がそんなに気持ちよかったのか
「夢も希望も何もない」
そんな事言っていても
楽しくない人生になるだけなのに
思春期にありがちな泥沼にはまって
私はただもがく事に幸せを感じていた
069
屈することなく立ち向かえ
泣きたければ泣き
笑いたければ笑え
何事もあなたを責めはしない
愚かだと笑い飛ばしてしまえばいい
あなたは何があってもあなたでしかない
光が見える?
そこへ向かって少しずつでも進んで
足が止まってしまう事があっても
心だけはそこを見つめていて
それらは確実に強さとなっていく
068
空を見て思うことは、
僕はあんな所では生きられないな、と言うこと
酸素は薄くて
疲れても休める場所がなくて
何よりひとりきりだ
群れていないと不安になる若者のように
僕はいつでも傍に居てくれる人を探している
一時的だって分かっていてもやめられない
それは麻薬のようで
羽ばたくための翼もない
行くことが出来ないから否定しているのか
どっちにしろ無縁の場所だ
何も感じず地を這って生きていくしかない
もし、あそこへ行くことが出来たなら
たった一瞬でも風に乗ることが出来たなら
もう、生きていられなくたっていい
067
馬鹿みたいなことに付き合って
馬鹿みたいな感情に付き合って
私は何処
人のために押し殺した心は収拾が付かなくなっていて
私の身体を振り回してみんなを傷付けていく
押し殺した意味が無いくらい私はぐるぐると回り
手の先に付いたナイフでみんなを抉る
こんな事は望んでいなかったと言って
責任逃れが出来たらいいのに
衝突が恐くて私は私をなくしたのに
それが更なる衝突を起こしてしまうなんて知らなかった
私は回る
手を血に染めながら回る
行き着く先は何処
066
どうして私に羽根を与えたのですか
飛ぶことを知らなければ
こんな気持ちになる事もなかった
こんな醜いものを見る事もなかった
地上は火で溢れていて
何もかもを飲み込もうとしている
地上は水で溢れていて
何もかもを洗い流そうとしている
去年まで花が咲くのを楽しみにしていた桜も
あなたと他愛もない話をした公園も何もかも
燃えてしまう
消えてしまう
羽ばたいている私だけを取り残して
破壊の続いている思い出
どうして私に羽根を与えたのですか
答えは
065
夢は咲いてくれない
弱く 弱く 弱い吐息
抱いて眠ろうではないか
咲かない夢でも構わない
心に有れば
強く 強く 強い信念は
何時だって溜まってはくれないから
刹那的に過ぎるものを愛し
永遠を望んだものは置き去りに
心に有れば
未来が見えるだろうか?
それは甘いのだろうか?
それは途切れることのない
夢は未来の形をしているだろうか?
そこにあの人たちは居るだろうか?
私はひとりきりではないだろうか?
夢が咲いた
それは優しい 優しい 優しい色
064
泣き女
あなたの代わりに私は泣く
私は泣く
手折った花が枯れる前に
雨の後の水たまりが乾く前に
あなたの悲しみが消える前に
私は泣く
私は泣く
空など見上げない
地面を見下ろすのが丁度いい
どちらにしても潤んだ瞳では
ぼやけて揺らいでうつるだけ
泣き女
あなたの悲しみが癒えたなら
私はそっと去りましょう
私は泣く
私は泣く
私は泣き女
063
逃げ道ばかり探していた私は
前へ進むことが怖くて 怖くて
何時しか生きることも怖くなってしまいました
心無い態度で殺された心を
未だに取り戻せずに居ます
未来を視てもヴィジョンが浮かばなくて
どう生きればいいのか分かりません
自ら命を捨てようとしたことがありました
自分の腕を切り刻みました
心を殺して それが当たり前になっていました
自分にすら見捨てられた私は愚かで
誰もこんな人間を見てくれないと思っていた
私は、自分を求めてくれる人を欲していた
今は貴方が居ます
私を赦してくれた貴方が居ます
少しずつ
私は自分を見つめることが出来る様になりました
私は自分を赦したかったのです
認めたかったのです
まだ、時間はかかるでしょう
けれど、受け入れてもらえたと言う事実は
私の力になっていきます
あと、少し
うまい具合には進まないけれど
前を見るようになれたらと思います
貴方に
最大の感謝と愛情を
062
助けてなんて言わない
誰も私を助けられないから
許してなんて言わない
私自身が私を赦せないから
愛してなんて言わない
そんなもの存在しないから
人を求めても虚しい結果しかないの
自分が嫌いになるだけなの
信じる暖かさも冷たさも知っている
絶望も希望も全て入っている
その上で私は諦めているのです
暖かさよりも冷たさが
希望よりも絶望が
心の奥に食い込んでしまって痛いから
信じる事に疲れてしまったのです
信じない事にも疲れています
だから
私はどうしたら良いのかわからない
ただ、これだけは残っている
わたし を 受け入れて
061
掃き溜めに見つけた祈り
何をやっても自分勝手とそれですまされ
涙すら出ない瞳は何を写し続けるの?
決断する力すら無くて
何に対しても無気力で在り続ける身体
心すら見つけられずに居て他に何を見つけるの?
掃き溜めに溜めて 溜めて
一気に心の全てを解放したら
何か良い事でも見つかるのでしょうか
掃き溜めを捨てて 放って
自分を消そうとすれば
全ては良い方向へと向かうのでしょうか