01 今はもういない人
何度思い返してみても、君が居た現実感がない。
それは僕の中で思いが消化されてしまったからだろう。
君が居ない事が普通になってしまって、
愛しさも寂しさも悲しさも感じ取る事が出来ない。
過去になった君は当時の僕と笑いあっていて
僕自身にもつかまえる事が不可能な世界に居る。
思い返す事すら段々減ってきていて、
いずれ忘れてしまう事が、自分の事だけど不安だよ。
03 記憶の中のキミの声
思い出せない。
ただ、くしゃみをして、「失礼」と言った事だけ覚えてる。
…失礼なんかじゃなかったよ？
05 信じられない現実
愛する人を亡くしたと知った時の
僕の反応は
どう言うものだったのだろう。
頭が真っ白になって
目の前は真っ暗になって
泣きじゃくりながら喚いていた
信じたくないと
僕を置いて消える筈がないと
何か叫んでいれば
この事実がなくなるものだと
そう思って
でも現実は変わりのない事実を告げ
僕は一人、残された。
これからも一緒に笑いあって、
苦しみながら二人生きていく事を
当然の事だと思っていた僕への、
罰なのだろうかと思った。
07 最後だって知ってたら…
後からする後悔はいくらでもある
あの時ああしていたら、こうしていたらって。
何だってそうなんだ。
最後だって知っていたなら、一番の方法で別れられた。
今でも夢に見る程、心に引っかかっている貴女の事を
忘れられる時なんて、来るんだろうか。
忘れられたらもうこんな気持ちにならなくて良いのに。
こんな息苦しさを味あわなくてすむのに。
ああ、そうだね。
後から悔やむって書いて、「後悔」って読むんだよね。
そんな事に今頃気付くなんて
09 消えない傷
あなたの中に居続ける為に私が付けた傷は
今も頭の片隅に残っているでしょうか。
憎しみからがんじがらめに縛り付けたい思いと、
解放されて好きに生きて欲しいと言う気持ちが混ざり合っていました。
結局私は昔も今も、自分主体でしか物事を考えられなかったのです。
沢山苦しめられました。
沢山泣きました。
沢山沢山、好きな気持ちで溢れていました。
私の中にあなたが付けた傷は、もう記憶の彼方にあります。
傷付けあった過去はお互いに忘れて、自分の人生を歩みましょうか。
本当の意味での、さようなら。
10 悲しみの中で生きる
居ないから気付けた事がある。
今、私の中には悲しみしか無い、なんて、言わないよ。
でも、ちょっとだけ悲しんだ事は許してね。