今考えてみれば、母親は余裕がなかったのだと思う。だから私が眠り続けても、腕を何度どれだけ切っても、殆ど何の反応もしてくれなかった。
当時の私…今までは、私は自分の事しか考えていなかった。母親や父親、妹の事まで考える余裕がなかった。
旦那は単身赴任で帰って来ず、二人の思春期の娘を背負い切れず猫へ逃げた。この家が”あの家”になってしまったのも、誰にも何も責任はなく、仕方の無い事だったのかもしれない。「仕方が無い」の一言で片付けるには、重い出来事だったけれど。
両親が離婚をし、私がアパートで一人暮らしをしていた時、実は二回程また自殺未遂をした事があった。その時は、次の日も仕事があると言うのに、苦しくて電話をかけた私の為にアパートまで来てくれた。母親が父親に電話をし、数時間かけて父親も来てくれた。
平日の夜中だったのに。
隣に座り、静かに、静かに、私の話を聞いてくれた。それだけで十分なのではないか。それなのに、「それ以上」を求めてしまう部分がある。そんな自分を見てとてつもなく自己嫌悪に浸る。
もっと、もっと、もっと…
そんな事を繰り返しても誰にも光は差し込まない。そろそろ、そんな自分に見切りをつける時期だ。今あるものを最大限に感じて、私は先へと進んで生きたい。
ごめんなさい。今まで本当にごめんなさい。そして、ありがとう。
中々上手くはいかないけれど、少しずつでも私は歩んでいきたいと思っているから。そう思っている事だけは本当だから。