16歳か17歳の頃、薬物自殺を図った。飲んだ薬は400錠以上の安定剤や睡眠薬。何時間も掛けて、ビールで飲んでいった。気分が落ち込んでくると、何十回と腕を切った。そして、苦痛もなく眠りに入った。
目を覚ますと、体中に激痛が走り、目を開く事さえ出来なかった。虚ろな頭で何時間も掛けて起き上がり、日付を見た。三日間眠り続けていたらしい。布団の横には大量の薬のシート、ビールの空き缶、吐いた後。
吐いた物は水分が抜け、粉薬のかたまりのようになっていた。消化しきれなかったらしい。死ねなかった事に絶望を感じながら、また眠りについた。
当時、パソコンは私の部屋にあり、毎日母親はネットをしに、部屋へ入ってきている筈だった。なのに、三日間眠り続けていたと言うのに、何の対処もしてくれなかった母親に、強い悲しみを感じた。
”私が死ぬかもしれなかったのに、どうして助けてくれなかったの、お母さん?”
何度もそう聞こうとした。でも聞けなかった。
私が願っていた事は”死”ではなく、親からの愛情なんだと気付いた。
目を覚ましてからの激痛は(薬で眠ると余り寝返りを打たなくなる為に起こる)筋肉痛だと後で知った。その痛みはその後何年も続き、今でも左足が少し悪く、走ろうとすると足がもつれて転びそうになる。でも後遺症にしたらまあ、軽い方だろう。
今でも思う。
何で助けてくれなかったの?
お母さん。
私が死んでも良かったの?
それとも気付かなかったの?
私は、生きていても良いの?
ねえ、誰か。