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子猫を飼い始めた

2009/05/30、子猫を飼い始めた。     
     
”また何か飼うか?”と言い出したのは、父親だった。正直、父親はもう動物を飼う事を嫌がるだろうと思っていたので、とても驚いた。     
     
”あの家”になってしまわないか心配だ、と言う私に、”一匹ぐらいなら大丈夫だろう”と軽く返された。私は、”あの家”になる事を必要以上に怖がっていたのだと、父親の一言でやっとそう気付いた。     
     
それから行動に移すまでは早かった。私は里親募集掲示板などの、近県の募集を見ていった。こちらの条件は”子猫である事”と”メスである事”。     
     
一番初めに見つけた所はもう全ての子の里親が決まっている、と言われ、二番目に連絡を取った人とは、受け渡しの日が決まったすぐに、やはり先住猫が居る方が良い、と言う事で断られ、三番目に連絡を取った人と話をし、やっと受け渡しの日が決まった。     
     
その受け渡しの日が来るまで待ちとおしく、けれどまだ色々な葛藤を抱えていた。本当に飼ってしまってもいいのか。自分で世話を見切れるのか。自分が十年も二十年も先生きていけるのか。     
     
     
子猫に初めて顔をあわせた時、本当は恐かった。でも”また猫と暮らせるんだ”と言う喜びの方が大きかった。人の目を、じっと見つめる子だった。     
     
名前をどうするか、当日まで迷いに迷った。     
     
デスノートに出てくる登場人物で、私の大好きな”エル”。”影の人”の本名。意思、と言う意味の”will”。     
     
最終的に決まった彼女の名前は”コトニ”。語源は何でもない、ただ、当日知人としていたメールの内容を打っている時に、”〜する事にした”と言う文を変換したら一発目に出てきた”〜するコトニした”。     
     
一瞬見て、すぐにこれに決めてしまった。考え抜いた物と同じように、こう言う”出会い”も大切にしたいと思っているから。     
     
     
始めの二日ぐらいは、”コトニ”も緊張しているようで、・・・と言うよりは何が起こっているのか分からなく怯えているようで、本棚の隅でじっと眠り続けた。     
     
今この文章を書いている2009/06/07現在は、まだ多少怯える時もあるけれど、十日も経っていないのに大体馴れてくれた。     
     
トイレの躾もちゃんとしていて、トイレ以外で粗相をした事はないし、餌も良く食べ、私の部屋中を走り回っている。”コトニ”はまだ私の部屋や廊下以外を知らない。徐々に一階へも下りられるようサポートしていくつもりだ。     
     
     
これからしなければいけない事のひとつ。まずは生後二ヶ月くらいになったら三種混合ワクチンを打ってもらう事。完全室内飼いなので他の猫から病気が移る事は無いと思うが、こう言う健康管理はちゃんとしていかないといけない。     
     
もうひとつは生後六ヶ月くらいに、避妊手術を受けさせる事。     
     
     
”コトニ”が来てから、心が癒される事が増えた。ある程度(主に睡眠時間)の生活改善もされてきた。不安な事だらけだけれど、預かった命を大切にしていきたい。


2013/04/19
上の記事を書いてから四年。”コトニ”ももう四歳になった。去年、新たにもう一匹子猫を迎え入れた。その子猫、”ラド”ももう一歳になる。

始めは”ラド”を座敷に隔離していて、”コトニ”と網越しに対面させてみたりしていたけれど、どうしても”コトニ”が受け入れてくれなくて、私はノイローゼになった。毎日泣いてばかりいたし、これから先二匹が仲良くしてくれなかったらどうしようと、絶望的な気持ちになっていた。二匹を殺して私も死のうと何度も思った。

けれどある日、二匹を網越しではなく直接対面させてみたら、大きな喧嘩もせず、お互い威嚇してはいたが、何とかいきそうだと感じ、”ラド”を開放してみた。

そこまでに、半年かかった。

それから更に半年近く経った今、二匹はお互いのペースで過ごしてくれている。時々”ラド”がちょっかいを出しすぎて”コトニ”が怒ることもあるけれど、猫二匹に囲まれて、まったりとした時間を過ごせている。

”ラド”の方もメスで、もう避妊手術は受けさせた。これ以上猫を増やすことはないから、これからもこの二匹と一緒に過ごしていくのだと思う。
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