十六夜のコトハ

02

いくら望んでも叶わないことがある
いくら欲しても手に入らないものがある
いくら叫んでも聞かれない声がある

望むことも欲することも悪いことではなく
叫ぶのは生きているからではないか

ある空間にひとり取り残されていても
生まれてから続くことならばそれが当たり前
それでも慣れると云う状態にはなれず
全てを外へ向けて足掻いている

叶わなくとも手に入らなくとも
ひとに聞こえなくともわたしは叫ぶ

何もない空間ではそれが生きている唯一の印なのだ
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